あまの いつこ 展
Itsuko Amano Exhibition
― セラミクストメディアで 『ユーモア&ナンセンス・アート』―

■2009.2/16(mon)〜28(sat) 日曜日休廊
■平日 12:00pm〜19:00pm 土曜日 12:00pm〜16:30pm



生活の中にユーモアをもたらす作品作り。セラミクストメディアで『ユーモア&ナンセンス・アート』を展開する。
今回は、全て「親」があってこそ。私の存在・作品、全て「親」の存在があってこそ、
そしてそこにナンセンスワールドがあるからこそ出来る世界。Family Boxは、そんな思いから出来上がる世界観を拡げる。
尊敬し、敬愛する父へ贈るかたちがいつまでも残りますようにと願い、Familyの「love」存在を「ユーモア&ナンセンス」で表現する。
父への思いこそが、ユーモアなナンセンスでありますようにと、思いをこめて。
タイトルとしての family box 『おやじ』 series
■「おやじ」とは親。 親という存在感。■
私にとっての「おやじ」は、父親だろうと思う。私が必要以上に「おやじ」にこだわって「おやじ」たちを作り続けているのは
父親の姿を追っているのだろうと思います。「おやじ」を作ることで、おやじを追憶してるのか。そう考えた時、思い出を追
いかけているのが半分と、今作っている現実の実態が半分。そんな狭間で「おやじ」作品を作り続けているように思います。

私は人一倍、親という存在を意識していると思う。二十歳に父親を亡くしているからかもしれないし、
また二十歳までに父親と半分の年、10年間ほどしか一緒に暮らしてないからかもしれない。
両親は私の同年の年代の子たちの親に比べれば、少し年をとっているために、感覚が何か少し違う感じがいつもしていた。
年寄り臭い、と一言でいってしまえばそれまでなんだが、この感覚が私の親に対する存在感を大きくしているのは間違いないと思う。
その親の存在感が作品の源になっているのかもしれない。
サラリーマンシリーズをよく作っているのは、父親がサラリーマンであったからという理由もひとつある。
父の背中を見て育った私は、サラリーマンに父親を見ているのと同時に、父親がサラリーの職業を血みどろになりながらやり続けて
いたその姿勢に、疑問や不思議さを感じていたからだ。
父は毎日同じ時間に起きて、出勤して仕事して、そして帰宅する日々に疑問を抱かなかったのか。
同じ時間の繰り返しに恐怖を感じなかったのか。ただ時間だけが流れていくとかいうことを感じたことはなかったのか。
私がサラリーマンを見つめてこういった思いが、父の影と一緒に思い起こしてしまうから、サラリーマンを作ってしまうのかもしれない。
でも私が作るサラリーマンの形は、キャラクターであるのが、私が意図しているところだ。
それこそリアリティーを追求した形である方が、見て分かりやすいのかもしれない。
あえてキャラクターっぽくするのは、それこそ私の意識にくすぐる父の姿を捉えようしているからだと思う。

■「おやじ」シリーズ はまさに父の面影を作品に投影。Family Box ■
私は作品に自分の思い出などを入れこんで形にすることが、独りよがりの作品になると思っていて、良くないと考えていました。
ましてや、父の思い出などはそれこそ自分と父との思い出でしかない分、そんなのを作品にしてしまったら、
自己満足の作品になると思っていました。だから、このサラリーマンシリーズ、「おやじ」シリーズを父の面影であると認
めたくなかったのが、正直な思いです。今改めて、少し自分の作品の深層に触れてみようとした時、否定していたここの
部分が自分の作品の重要な所だったと認めることとなりました。

親というのが、誰にでも共通し共用出来るものだと思います。私にとって「おやじ」の形は、
「親」の表現であり、みんなが共用出来る形だと考えました。そこに、自分の経験した思い出を混ぜることで、
どこにも存在しない作品の世界が出来ると思ったのです。私が経験した親との思い出が、作品の世界観として表現された時、
その世界観を, 第三者が観て、どこかシンクロする所があるならば、世界観の共有が出来ると思います。そしてまた、
そこから観た人の新しい世界が広がり、世界は無限に広がるのではないかと思うのです。全ては「親」があってこそ。
私の存在も、作品も、全て「親」の存在があってこそだと思います。Family Boxはそんな思いから出来上がる世界観です。

尊敬し、敬愛する父へ贈るかたちが、いつまでも残りますようにと願う気持ちと、そしていつまでも
誰の心にも親の存在が有り続けますように、と思います。
履歴
あまの いつこ Itsuko Amano  

履歴 1980 奈良県出身
  2005 大阪芸術大学大学院修士課程芸術制作研究科終了
  2008 大阪芸術大学美術学科非常勤副手勤務 現在
個展 2002 妖気・容器・ようき展 (Gallery TAKABATAKE /奈良)
2005 次次WORLD (複眼Gallery /大阪)
  次次WORLD (アートスペース上三条 /奈良)
グループ展 2002 hana展 (アートスペース上三条/奈良)
2003 cap展 (同時代Gallery/京都)
2004 交感する種展 (金沢市民芸術村 アート工房/石川)
  いけばなコラボレーション (OAP/大阪)
2005 大学院修士作品展 (サントリーミュージアム/大阪)
  GEISAI#8 (東京ビックサイト/東京)
2006 CLAY PLAY展 (Gallery gana/ソウル)
2008 Colors Cup展 (Gallery 北野坂/兵庫)
  陶のかたち展 (Gallery 北野坂/兵庫)
  DOOR 2008展 (Port Gaiiery T/大阪)
展覧会風景
ART
進化の真価
2004
(猿単体)W30×H46×D30
陶器、カラープリント
インスタレーション

次次 WORLD
2005
(展示サイズ)W300×H500×D300
陶器、フェルト生地、金棒
インスタレーション

Zero Womanー女陰妄想図ー
2006
(展示サイズ)W300×H100×D250
陶器、椅子、畳
インスタレーション

MBおやじ器
2008
W20×H19×D20
陶器
おやじ湯のみ
2008
W9×H13×D9
陶器
おやじの憂鬱
2008
W12×H11×D12
陶器