「色々・素材まみれ  わきでる! ひろがる!」展
近大染織続連者
近畿大学文芸学部芸術学科 造形美術専攻/染織コース
視界良好。みんなで散歩。ゆるやかパワーに御用心!
個々の作品・8人のパワーを凝縮した共同作品を制作し発表

2007.3/8(thu)〜3/21(wed)
平日 12:00pm〜19:00pm 土曜 12:00pm〜14:30pm
日曜日 休廊

タイトルとしての「色々・素材まみれ  わきでる! ひろがる!」展
視界良好。みんなで散歩。ここに漂う。今発揮出来るパワー!
五感で染織。作品に投影。
酒井沙織「自分を織る、そして…!」土井知子「迷いの中の願いを織る」天川直子「フェルトでようこそ」
林和音「思いを、心を織る」
井原美香「想いを染める」小谷奈穂子「生まれ咲く」山下真由美「色のおもちゃ箱」碓氷知子「織りとワタシの運命共同体」と、
8人の世界で今回のテーマ「色々・素材まみれ わきでる!ひろがる!」展で、
個々の作品と、8人のパワーを凝縮した共同作品を展示。
素直に対象と話す、自分と向き合う ゆるやかパワーに御用心!と、 異空間世界をひろげる。
時代に向き合い、『わきでる!ひろがる!』と溢れるエネルギ−を発信。
展覧会風景

酒井 沙織
Saori Sakai

履歴 1982 奈良県に生れる
2003 新匠工芸展入選 ■「光の思いで 2」
2005
490×270
綴れ織
綿糸・羊毛・麻糸・アクリル・レーヨン・
直接染料・酸性染料

いつも近くに存在する風景、
その風景にわたしも取り込まれたい。
遠くの月からそそがれる光に包まれ、
景色の一部となれたように感じた。
その光の暖かさと大きさを扇形の綴、
織りで表現しました。
2005 2人展 (京都)
近畿大学文芸学部芸術学科/造形美術専攻/染織コース卒業
2006 近大染織連者展 (ドットアートコスモ・大阪)
現在 広島市立大学院 修士課程 芸術学研究科
造形計画専攻 染織造形

■2007 色々 素材まみれ わきでる!ひろがる!展への想い
2回目の参加となり、参加学年の幅も3学年と広がった。
自分自身もこの一年で行った制作がどういうものであったか見つめ直す良い
機会であるし、多くの皆さんにも作品についての率直な感想をいただければ
と望んでいる。そして、4月より院2となり大学院生活もラスト一年と
なるので、それ以降の活動を見据え、
積極的に制作、発表を行う糧としたい。
是非多くのアドバイスをいただきたい。去年から行っている共同制作も、
良い刺激であり、ここだけで終わらさずまた外に広く出せればと望む。
■現在の仕事・制作(作品)について
「この事実が欲しかった」      
この一年は“自分に正直とは何か”が大きなテーマであった。
自分について頭で考えただけではわからない。
自分の身に何がついているのか。見せかけだけではないものを自分の
身体感覚にも聞いて知り、綴織で作品をつくる。 そこから得るものは、
ただ自分は自分であるという事実。嘘であろうと本当であろうと。
それを持って日々を生きる。 そこには確かな力を感じる。
■「光り、空、その先へ」
2005
100×200
綴れ織
綿糸・羊毛・ レーヨン・直接染料
酸性染料麻

空を見上げると、その先は、
果てしないように感じる
しかし、どんなに遠いせかいでも、
どんなに先の未来でも、
今日この一歩なくては始まらない。

この風景を通じ、未来、
世界の広がりを感じさせてくれると
同時に、今現在とこの日常が
必要だということを知り、
力強く進むその情景を描き出した。


土井 知子
Satoko Doi

■「カイキムソウ」
2003
180×90
綴れ織
麻・羊毛・綿糸・アクリル

ある日見た夢の世界、
その不思議な世界を表現。
履歴 1983 和歌山県に生れる
2004 近大染織レンジャー展 (ドットアートコスモ・大阪)
2005 近畿大学文芸学部芸術学科/造形美術専攻/染織コース卒業
現在 会社員をしながら制作を始めつつある

■2007 色々 素材まみれ わきでる!ひろがる!展への想い
2年間のブランクがあって、でも作りたいという思いもずっと
あって、いざ制作を始めるにあたって色々忘れてしまっている大切な
こともあることに気づいた。
今回3回目の染織連者展、受け継いできたもの・繋げて行きたいもの
を大切に、8人それぞれ持っているもの・お互い違うところと似て
いるところを受け入れ合って、見に来てくれる人にもやわらかいけど
確かなパワーを受け取ってもらいたい。
■現在の仕事・制作(作品)について
この一年位で自分が変わってきたと思う。
人からも言われるようになった。でも、変わっていく内に自分は
どういう方向に向かいたいのか分からなくなってしまった。
でも、完全に立ち止まってしまうことも怖くてできない。
自分の位置・向かう方向を確かめるための制作。
もがきながら変わっていこうとする自分を表現。
■「天気雨」
2005
180×90
綴れ織
麻・羊毛・綿糸・アクリル・ビニール

晴れているのに雨が降る。
幼い頃不思議でしょうがなかった現象
一番好きな天気で
ある「天気雨」をテーマに、
幼い頃よく読んだ物語や絵本に
出てくるような優しくて不思議な風景・
心の中の風景・
心の中の色を表現。

天川 直子
Naoko Amakawa

履歴 1983 大阪府に生れる
2005 近大染織5レンジャー展 (ドットアートコスモ・大阪)
堺市展入選 ■「光と闇のラビリンス」
2005
100×200
綴れ織
麻・羊毛・綿糸・アクリル
2005年4月京都。
光と闇の世界を見た夕方、
闇に覆われる中見る
光は思わず吸い込まれそう…
そんな世界を羊毛の発色のよさ、
切り口のおもしろさを利用して
体感したことを表現してみました。
2006 (在ベルギー日本大使館広報文化センター)
近畿大学文芸部芸術科作品展
2006 近大染織連者展 (ドットアートコスモ・大阪)
2006 近畿大学文芸学部芸術学科/造形美術専攻/染織コース卒業
現在 中学校美術講師

■2007 色々 素材まみれ わきでる!ひろがる!展への想い
表現することを忘れたくない!!いつでも作っていたい!
その気持ちを忘れないでいたい!!!
同じ釜の飯を食べた仲間と一緒に、
お互い良い影響を受け、与えられるように。
■現在の仕事・制作(作品)について
「きのこワールド」
様々な色、形で生えるきのこ。
その独特の形に愛らしさを感じる。
ひょんなところに生えるきのこを見つけるとちょっとうれしくなる。
わきでる、ひろがるきのこの世界。
見て触れて、感じてください。羊でできたきのこの世界。
■「ようこそ!!マイルーム」
2005
100×200
綴れ織
麻・羊毛・綿糸・アクリル
幼い頃にあこがれたおままごとを
自分の作品の中で感じたくて。
小さな自分の部屋をつくりました。
羊毛のおもしろさを存分に生かし、
それを体感できる空間を実現しました!

林 和音
Kazune Hayashi

■気模様」
2005
140×180
平織り
絹糸.(酸性染料)
着物の形体・色により(黒=安心感・黄色=不安感・赤=体に
流れる血)これらの入り混じった感情を横絣で表現。
この感情を日々体験し繰り返し、安心感を求める。
体に暖かい血が流れ、
ココロから笑いながらの生活を願いながら糸・色を織る。
履歴 1984 大阪府に生れる
2003 OBPアーツプロジェクト「ART IN PEACE」
2005 近大染織5レンジャー展 (ドットアートコスモ・大阪)
池田市美術展入賞
近畿大学文芸学部芸術学科/造形美術専攻/染織コース卒業
2006 近畿大学文芸部芸術科作品展
(在ベルギー日本大使館広報文化センター)
■「賜物 2」
2006
330×250
平織り
サイザル麻・羊毛・樹皮・ラフィア
シュロ縄・黄びそ

雨上がり、晴れた夕暮れに
キノコを見つけた。切り株には
白っぽい色と黒っぽい色のキノコが
面白く分かれていた。
溢れんばかり、湧き出てくるように。
その力強さと生命力に
とても惹かれた。雨上がりのせいか、
無彩色だったキノコが
とても鮮やかに見えた。
色味のないものでも立体に見える。
光と影の繰り出す関係が面白く感じた。
近大染織連者展 (ドットアートコスモ・大阪)
現在 自宅で制作活動中

■2007 色々 素材まみれ わきでる!ひろがる!展への想い
みんなでやることの楽しさ、難しさ何もかも含めてのグループ展。
何ともいえない面白さに染まりきって、みんなで創り出す雰囲気に
織り込まれ…。一度知ってしまうとやめられない。
前回、前々回の「近大染織」グループ展を知っていただいた人にも、
これから知ってもらえる人にも。 私たちの持っている今しか出せない
「パワー」に触れていただければと。
今まで以上に、私達の「つながり」を大切にしていきたい。
そしてこれからも続けていければとゆう願いもこめて
…わきでる!ひろがる!
■現在の仕事・制作(作品)について
「心模様」2006 /平織り/260x545x515/絹糸
植物の持つ力に心ひかれ。
植物染料にしか出せない色の深さややわらかさにふれると心躍る。
自然からいただく色も形も全てが私の源。
染・織の面白さを伝えたくて。
今自分にできること、糸・色を織る。

碓氷 知子
Tomoko Usui

■「Narcotics」
2005
170×130
綴れ織
ウール.麻.綿.レーヨン
「Narcotics」の第一義は、
「麻薬」・「麻薬中毒」という意味。
かつて、麻薬はシャーマン(呪術師)が
祈祷や治療をして、
人々の心身を伎耐えて支えていた
ものであった。また、
良質な植物繊維がとれるため、
生活に欠かせないものであった。
しかし、現代では危険なものとして
追いやられてしまった。
シャーマの居なくなった今では、
扱い方を誤り、
身も心も滅ぼす人が、
増えつづけている。かって、
麻薬が持っていた不思議な力を
イメージして、
”神の植物”というテーマで作品にした。
履歴 1984 千葉県に生れる
2003 近畿大学文芸学部芸術学科/染織コース入学
2003
〜05
近畿大学学園祭文芸展出品
2006 近畿大学文芸部芸術科作品展出品
(在ベルギー日本大使館広報文化センター)
2006 近畿大学学園祭文芸展出品4回生展出品
現在 近畿大学文芸学部芸術学科/染織コース4回生

■「Line age」
2005
200×150
組み織
棉・麻・ナイロン・ビーズ
ひとには生まれつき、
逆らえないものがあるとすれば、
それは「血筋」=Line ageだと思う。
どれだけ否定しようとしても、
必然的に受け継いでしまうもの。
どれだけ色彩を変えようとしても、
必然的に同じ模様が現れる。
それを、組織織りの技法で表現した。
下方にあるビーズは、
次へと受け継ぐものへの希望の光り、
あるいは逆らえない運命への
悲しみの涙を表している。
■2007 色々 素材まみれ わきでる!ひろがる!展への想い
それぞれの特徴を持った作品達が、ひとつの部屋で同じ空気を
いけたらいいなと楽しみにしております。
■現在の仕事・制作(作品)について
Ecne  l ove   neb / 2006 / 200×150
綴れ織 / ウール・綿
題名は、「仁徳」を意味する“benevolence”の
綴りを反転させた造語。
「仁」は優しさや慈しみの心、また「人」という存在そのものを表し、
その行為は、「徳」となって返ってくる。
人の行いを映す鏡のような概念であると思う。
自分も、その暖かな恵の光を受けているヒトのようでありたい。
作品と題名を反転させたのは、私とすべての人たちに、
恵の光が降り注ぎますように、という願いをこめて。

井原 美香
Mika Ihara

■「まわる世界」
2005
435×37
型染
絹・顔料染料・化学染料
この世界のすべてのことは繰り返されていると感じる。
良いことも、悪いことも。
そんな世界を、ころがるボーリングのピンと
咲き誇る花で表現した。
履歴 1985 奈良県に生れる
2003 近畿大学文芸学部芸術学科/染織コース入学
NEW IDEAS in MEDALLIC SCULPTURE 出展
2003
〜05
近畿大学学園祭文芸展出品
第49回橿原市美術展覧会入選
2006 第9回金光八尾高等学校美術コース展 出展
近畿大学学園祭文芸展出品4回生展出品
第57回奈良県美術展覧会 知事賞
現在 近畿大学文芸学部芸術学科/染織コース4回生

■2007 色々 素材まみれ わきでる!ひろがる!展への想い
この展覧会を通じて、1人でも多くの人に染織のおもしろさを感じてもら
えれば良いなと思っています。
私たちのわきでるパワーがおりなす、
染織の世界にひたって下さい。きっと、あなたのエネルギーへと
変わるはずです。
私達の世界、わたしたちの染織ひろがれ!!
■現在の仕事・制作(作品)について
庭の木に止まる鳥。風でゆれる木。雲一つない空にのんびり浮かぶ気球。
満点の星空。この何でもない情景が、わたしに新たなエネルギーを
与えてくれる。
そんな自然への思いを込めて。
■「戲れ」
2005
160×135
筒描き・刺繍
綿布・綿糸
動物と子ども。わたくしの大好きなもの。
動物と人がうまく生きていく世界。
わたしが望むこと。未来の世界は、
このパネルの世界のように、
ゆったりとした時間が流れる世界であってほしい。

小谷 奈穂子
Naoko Kotani

■「扇」 
2005
150×130 
シルクスクリ−ン
綿布 ・染料 扇子(プラスチック)
両面テープ

「あたりまえ」が嫌いなくせに、
「あたりまえ」にとらわれてしまう
矛盾した自分を見つけた。
「当たり前」だと感じているものが
角度を変えてみたり、
 たくさん同時に存在したとき、
「あたりまえ」ではなくなるような作品を
つくろうと思った。
静かな底知れぬ力を表現しました。
履歴 1984 奈良県に生れる
2003 近畿大学文芸学部芸術学科/染織コース入学
近畿大学文芸学部祭 染織展
2004 第4回近畿大学OBPアーツプロジェクト 「メクルメク・シンカ展」 出展
2005 第5回近畿大学OBPアーツプロジェクト 「ケンケンパ展」 出展
2006 近畿大学文芸学部芸術学科造形美術専攻 四回生展
現在 近畿大学文芸学部芸術学科/造形美術専攻/染織コース4回生

■2007 色々 素材まみれ わきでる!ひろがる!展への想い
初参加で頼もしい仲間とたくさんの意味を見つけられたらと
意気込んでいます!
それぞれの作品に加え、今回も共同作品をつくることになり、
織と染めの両方を8人の味をまぜこんで、
美味しい作品をお見せできる日を楽しみにしていてください。
■現在の仕事・制作(作品)について
『umawaru』2006 /手捺染/麻混綿布・ ボンド・ 染料 ・チュール
手捺染とボンドを使った、立体作品です。
雑音のない世界であふれるように産まれ咲く植物のように、
静かな底知れぬ力を表現しました。
■「六月の散歩道」
2006
180×120
シルクスクリーン・手捺染
綿布・ 麻布 ・染料 ・プラスチック棒

自分探して歩き回って
いろんな思いをめぐらせて
過去に戻って遠回りして
気がつけばその道は、
くねくねまがった私の[散歩道]。

山下 真由美
Mayumi Yamashita

■『カブガラシ』 
2005
13.0×38.0
シルクスクリーン
浴衣地・染料
実がなるのと、ならないのがある。
なのにどんどん増殖していく不思議な
夏の雑草。
まっすぐに伸びていくわけではなく、
ぐんにゃりと伸びていくさまがおもしろい。
このモチーフで浴衣をつくりたいと思った。
履歴 1984 大阪府に生れる
2003 近畿大学文芸学部芸術学科造形美術専攻染織コース入学
2003
〜05
近畿大学文芸学部祭染織展
2006 近畿大学文芸学部芸術学科造形美術専攻四回生展
現在 近畿大学文芸学部芸術学科/造形美術専攻/染織コース4回生

■2007 色々 素材まみれ わきでる!ひろがる!展への想い
近大染織にいたからこそ出会えた人たち。
違う個性と素材、色にまみれてきた私たちの四年間を、
この展覧会を通して見つめなおし、これからもっと成長していく為の
大きな柱として、またその後に続く過程として大切にしたい。
■現在の仕事・制作(作品)について
『bound ball』 2006 /シルクスクリーン/(30×30)×20枚 /綿布・顔料
 おもちゃ箱のふたをあける時のドキドキ、わくわく感。
子供の頃のような無邪気な気持ちで色で遊んでみたくなった。
想うがまま、感じるままに今の自分を表現しました。
■『名残り』 
2005
120×162
●綿布、染料、油性ペン
夏の暑い日、うるさいぐらいに鳴いている
蝉は与えられた
短い期間を一生懸命生きている。
土のなかで七年間、外の世界でたった一週間。
精一杯生きている。
そんな蝉の力強さのなかにある儚さに
心を打たれ、
表現できたらいいなと思い制作しました。