塩治 由梨展 Shioji Yuri Exhibition
-平面からひろげる-
「一人に帰る時間」「どこへ帰る時間?」

2009.8/22(sat)〜29(sat)日曜日休廊
平日12:00pm〜19:00pm 土曜日12:00pm〜16:30pm

「家」・「家族」というテーマに愛の時間をかたちに表現。
心地の良い詩情作品世界を拡げる。
大阪市のイベント、水都アート回廊/水都大阪2009と共に、
(大阪を象徴する歴史的建造物とアート作品がコラボレーション。)
http://www.suito-osaka2009.jp/
大阪が紡いできた“時空間”を作品と共に体験ください。

一人に帰る時間。
 
ぎゅうっと伸びをしてみる。
どこまでも伸びてゆきそうな 手と足の感覚。

グラスに水が注がれてゆくように
じわじわと拡がる。

誰もいないのに 誰かいるようで
そばにいるのに そうじゃないようで やっぱり居る。

黄色い灯りのなかで
ご飯を一緒にたべよう。

タイトルとしての「一人に帰る時間」「どこへ帰る時間?」

「一人に帰る時間」「どこへ帰る時間?」

ただ、なにもせず時間を過ごしているときや
気持のよい午後に うたた寝をしているとき、
また、もくもくとあてもなく歩いているときなど

「一人」というところへ帰るとき、
たとえばそんな時かもしれない。

ほんの少しの、時のあいだに
ものすごく、たくさんの時がめくられてゆき
その あまった気持ちたちは、
行き場もなく うずまきながら
やがて嘘のように消えてしまう。

むかしむかしのことから、ついさっきのことまで
何度もくりかえし出てきた残像を、また流してみたりする。

作品は、そんな時間のはじまりの糸であればいい。
たぐりよせてみれば小さいときの姿のままで そこにいる。
そして、行ったり 来たり。

「一人に帰る時間」とは
「一人に帰る時間」とは

はじめ、自分自身を見つめる。
ということからスタートした。
「どういう世界を視ているのだろう?」
これまで思っていたこと、感じたことを描いていくうちに 
一人に帰る時間は
全く一人ではないことに気づき
自分を見つめることが、外の繋がりを再認識することだと。
今まで見てきてくださった方たち  全てが一つに繋がったと思う。
決して後ろ向きの気持ちで使ってきたわけではない。一人に帰る時間。

このタイトルで描きはじめて7年、
5回の個展を通し、その気持ちをキャンバスへ映しとってきた。
これまでがあったから今回
「家」や「家族」というテーマが浮き上がってきた。

しかしはじめて考えることではなく、気持ちが自然と
「家」や「家族」へと動いたのは、心の位置が変わってきたからだ。

それでもなお、「一人」という時間を考えたいのは
すぐに忘れてしまうから。
日々をすごしていくうちに忘れてしまい、
溶けてしまったかのように見えても、
決して時とともに流れてはゆかない みえない「こわさ」。

私は、こころのなかにあるそんな「こわさ」と
いつも一緒に時間をすごしている。
言葉で的確に伝え得ないものを、かたちにする時間であり、
これからのかたちを探す時間でもある。
私だけじゃなく、
一人の時間を大切にする人たち、
観るひととも、そのかたちを一緒にみつめていたい。
履歴
塩治 由梨 Shioji Yuri  

略歴 1979 大阪府生まれ

2002 大阪芸術大学 芸術学部美術学科卒業

現在 大阪にて在住、制作

個展 2002 「一人に帰る時間」 (ドット アート コスモ 大阪)

2003 「一人に帰る時間」 (ドット アート コスモ 大阪)

2004 「一人に帰る時間」 (GALLERY SUZUKI 京都)

2007 「一人に帰る時間」 (ギャラリーAo 神戸)

2008 「一人 に帰る時間」 (ドット アート コスモ 大阪)

アートフェア 2007 KIAF (韓国・ソウル)
ART

水の石
2002(大阪)
キャンバス・綿布・油絵具
162.1×130.3
クルミを
2002(大阪)
パネル・綿布・油絵具
45.2×60.2
  一日
2003(大阪)
パネル・綿布・油絵具
45.2×60.2
展覧会風景