塩治由梨展 Shioji Yuri Exhibition
「そこにいる そこにある、」There is sign of something. It is there.

2010.4/29(木)〜5/3(月)入館無料
[午前10:00pm〜午後19:00pm]【入館は5時30分前まで】[5/3 午前10:00pm〜午後16:30pm]
伊丹市立伊丹郷町館・旧岡田家酒蔵にての展覧会(国の重要文化財)


【公開制作】
[日・時]1日・2日/午後1時より2時作品制作を公開。
【ワークショップ 】
   作家と一緒にドローイング、塩治由梨の作品に参加しませんか。
[日・時]30日・1日・2日/午前11時より12時(随時)参加費無料・事前申込み不要。
現存する日本最古の酒蔵. その存在のなかで「きっかけ・出会い・きづけば」と、こころの鼓動を拡げる。
平面&立体により, 言葉で的確に伝え得ないものを、かたちに。

そこにいる そこにある、

酒蔵
  きっかけは、水と米
出会いは形
想いは酒
きづけば、こころ動き
鼓動打つ。


上へひくように深く息を吸いこむ
どこまでも伸びてゆきそうな 手と足の感覚

グラスに水が注がれてゆくように じわじわと拡がって

誰もいないはずが 誰かいるようで
そばにいるような ふりむけばいない

もう一度 しずかに吸いこめば まぶたの裏に映る姿
酒蔵に足音

[所在地]兵庫県伊丹市宮ノ前2丁目5番28号 「みやの まえ文化の郷」伊丹市立伊丹 郷町館・旧岡田家酒蔵
[問い合わせ]090-3487-2601 http://www.designdot.co.jp/
[後援] 財団法人 伊丹市文化振興財団/塚本学院校友会 大阪芸術大学 大阪芸術短期大学部 大阪美術専門学校
[協賛]伊丹郷町商業会/ドット アート コスモ 右脳の散歩道ギャラリー
[交通]●阪急伊丹駅より徒歩北東へ9分 ●JR伊丹駅より徒歩北西へ6分
【公開制作 】  [日・時]1日・2日/午後1時より2時作品制作を公開。
【ワークショップ】 作家と一緒にドローイング、塩治由梨の作品に参加しませんか。
           [日・時]30日・1日・2日/午前11時より12時(随時)参加費無料・事前申込 み不要。

旧岡田家酒蔵の塩治由梨展によせて(元伊丹市立美術館長・坂上 義太郎)
塩治由梨の作品を最初に観たのは、大阪の船場ビルに あるドットアートコスモの個展(2009年)であった。 取り分け作品の中に描かれ
ている女性像を観ながら、「この女性像には、塩治の思い、考えが託されている分身であり、精神そのものではないのか」と自問自答して
いる自分に気づいた。 その折、過去の個展資料を見せて貰った。塩治は2002年以来、ドットアートコスモでの個展タイトルに
「一人に帰る時間」と銘打っている。なかでも2008年の文章に興味をそそられた。


「一人に帰る時間・・・・・・。」

なにも考えず
カベのようなここにたってみる

どこまで潜るの
いつから囲まれてるの

カゲがたっているのか
ホンモノがたっているのか
わからないくらいに
ここにたってみる


塩治の作品を前にして、想像の旅や、日常の光景との出会い、思い出などが作家の息遣いのように 途切れたり、繋がったりして自然と
心に馴染んでいる私がいた。 話を聞いていると、塩治が常に身の回りの色々なものに興味を抱き、観察を行っているようだ。恐らくは、
眼前に拡がる光景を。例えば、影さえも平面に。ものの輪郭と色の関係を考えながら、視点を変えながら観察しているのだろう。
そんな見方が、独自の空間を創出しているのかも知れない。
今回塩治が、日本最古の木造酒蔵(旧岡田家酒蔵)に、自己の思考と感性によって挑むという。「私、酒蔵に座敷童(わらし)の
ような何か気配を感じるんです」とぽつりぽつりと語ってくれた。また、展覧会を前にして、その心境を文章化している。


「そこにいる  そこにある、」
酒蔵
きっかけは水と米
出会いは形
想いは酒
気づけば心動き 鼓動打つ


酒蔵に作品があることにより、酒蔵に新たなる気の流れが生じ、固有の距離も生じるのではないか と、文章から思いを巡らさせられる。
私は絵を描くという行為は、刻々と移り変わる時の流れの中に自身を置き、自己という存在を確認することではないかと考えている。
自己の感性や思考を投影する行為、内なる自身の輪郭を求める行為でもあろう。
塩治は、目下酒蔵という空間と対峙し、新しい空間造形を創造するのに腐心している。構図と色彩、変化と均衡、対比と調和、
強調と省略、コンポジションなどの追求といった具合に。私は、こんな創作プロセスを経て、真摯な制作姿勢から酒蔵に創出される
空間造形に出会えることを楽しみにしている。
タイトルとしての 「そこにいる そこにある、」
どういう世界を視ているのだろう?」自分自身を見つめることからスタートした。
「一人に帰る時間」というタイトルで描きはじめて8年、6回の個展では思っていたこと、その時感じていることを描いていくうちに、
その時間は全く一人ではないことに気づく。自分自身を見つめることが 外の繋がりを再認識することだと、
全てが一つに繋がったと思う。決して後ろむきの 一人に帰る時間ではない。その時の気持ち、気配をキャンバスへ
映しとってきた。時間とともに 心の位置も変わってきた。そして今、「家や家族]というテーマが浮き上がり、
一人という時間を考えながらその気配を探り、無意識ではあっても心に引っ掛かるものが今、現れているなら
「いるように あるように」感じるとき、からだに棲むもう一人と一緒(それらととも)に時間を過ごし、
今回、「そこにいる そこにある」と酒蔵という場所とともに、「きっかけ・出会い・きづけば」と、こころの鼓動を拡げる。
履歴
塩治 由梨 Shioji Yuri  

略歴 1979 大阪府生まれ

2002 大阪芸術大学 芸術学部美術学科卒業

現在 大阪にて在住、制作

個展 2002 「一人に帰る時間」 (ドット アート コスモ 大阪)
  2003 「一人に帰る時間」 (ドット アート コスモ 大阪)
  2004 「一人に帰る時間」 (GALLERY SUZUKI 京都)
  2007 「一人に帰る時間」 (ギャラリーAo 神戸)
  2008 「一人に帰る時間」 (ドット アート コスモ 大阪)
  2009 「一人に帰る時間」「どこへ帰る時間?」 (ドット アート コスモ 大阪)

アートフェア    
  2007 KIAF (韓国・ソウル)

ART
 
かごめかごめ
2002・大阪
162.1×130.3
キャンバス・綿布・油絵の具
  Make a loop
2002・大阪
162.1×130.3
キャンバス・綿布・油絵の具
     
 
かえりみち
2009・大阪
145.5×89.4(M80)
キャンバス・綿布・油絵の具
  あかり
2009・大阪
145.5×89.4(M80)
キャンバス・綿布・油絵の具

作品データは以下の順に記す。作品名/制作年/寸法(cm)/技法/素材
展 覧会風景